北八ヶ岳苔の観察会 〜白駒池〜高見石小屋〜丸山〜北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅〜   2013.7.27,28

*初日*

昨年1月、スノーシューハイクに参加させてもらった高見石小屋。
秋にはどぶろく祭り、冬にはクリスマスパーティや新年会、梅雨の時期にも苔の観察会などイベントがあると聞き、
とても居心地の良い小屋だったので参加しようも思っていた。
特に苔については、なんにも知らないけれど、興味があった。初めて北八ヶ岳に来たのは山歩きを始めて2年目。
ガイドブックに載っていた白駒池周辺の苔生した森が素敵で夏休み、ペンション泊での山旅に来たのだった。
昨年は苔の観察会の日程と都合が合わず…今年こそ参加しようと思っていた。
苔の観察会自体は年6回あるのだけど、四つの山小屋、駐車場など開催場所が異なり、高見石小屋での開催は7月と9月。
9月は予定が既に入ってしまってるので…7月。
6月の青苔荘での開催も考えたのだけどやっぱり高見石小屋に泊まりたい。
で、電話して見たら、定員間近?すでに満員?というようなギリギリな状態だったらしく、なんとか滑り込めた(*^^*)☆

さて…茅野から入ろうか、佐久平から入ろうか。6年前には白駒池からロープウェイ駅まで歩いたことを思い出し、
佐久平からのバスを調べ、白駒池をのんびり歩いて高見石小屋へ行くことにした。

今までも苔を観るのは好きで写真に撮ってはいたけど、知ってる名前はスギゴケ、ミズゴケくらい。
なんとなくこれがスギゴケだろう、ミズゴケだろうとは思いつつ、しっかり分かってはいない。知識は皆無。

まずは、白駒池入口からのんびり池の周りを時計回りに回って無知のまま楽しむ。10:30スタート
ひょいっと胞子嚢を伸ばしているコばかりに目がいってしまいます。

青苔荘の前ではヤマオダマキも咲いていたよ。やっぱりお花に胸もときめくw

空はとっても不安定。雨が降りそうな降らないような・・ 雨がぱらついたり青空見えたり。
白駒池も空の色を反映するから白かったり青かったりその違いが面白い(*^_^*)

白駒荘前でバイケイソウを眺めつつ、ジャーマンポテトパンに明太チーズパンをぱくり。
さてさてお腹が満たされたら、少し登りますか。苔生した岩の道、滑りそうな木道の道を登って高見石小屋へと向かいましょう!12:00前だったかしらね。

集合時間にはまだ早いけど、お天気不安定だものね。

・・・ぁ、この蘭はなんだっけ?
尾瀬で見たのはイチヨウランでこの子はコイチヨウランだよねo(*^▽^*)o~♪
あ、何か飛んでいるようなこの子はなんだ?小屋に着いてから図鑑で調べたよ。タカネサギソウだねo(*^▽^*)o~♪はじめまして!


苔も綺麗だし、樹木の葉っぱも綺麗だし、ゴゼンタチバナも綺麗
ゆっくり北八ヶ岳らしい苔生した森を心の赴くままに写真を撮りながら進む、心地良い時間。

さて、小屋に到着o(*^▽^*)o~♪12:40

小屋にチェックインして・・・受付をして説明をしてくれた方、twitterでつぶやかれてるキムラさんかなぁ?と思いつつ・・
忙しそうだし、私も意外とシャイなんで聞けずw
とりあえず小屋の受付と苔の観察会の受付をして、荷物を整理して・・・サブザックに持っていくものだけ詰めて・・・
高見石登ろうかなぁと思ったら雨降ってきた(T.T) しばらく様子を窺ってたら止んだ止んだ!
とりあえず登っとこo(*^▽^*)o~♪

大きな岩ごろごろ。印を頼りに登りやすいとこ、安定しているところを確認して上うえ上へ。
あいにく曇り空だけど・・・白駒池見えたーっとw
小屋側はこんな感じ。

展望は良くないから下りよーっとって下りてきたら、なんだなんだ雲が大きく動いて綺麗な青空広がりおった(≧∇≦)


さてさて・・・前置きが長いけれども、本番の苔の観察会は14時から始まりました。 参加者は・・28名ほど(多分)最後の予約者私のNo.が28だったからw

日本蘚苔類学会の上野先生の説明を聴きながらの散策、とても楽しかった(*^^*)♪
教わったこと、今回は結構メモったから、書き起こして復習しちゃうよ〜〜〜!!

苔は植物。 うんうん、そりゃそうだ。
光合成をする。 考えたことなかったけど、緑だもんね。葉緑素持ってるだろうから、そうだよね。

光合成に必要なのは、光、二酸化炭素、水。それくらいの知識はあるよん(*^^*)

で…苔には根がない。 ぇ?そうなの?
だから、水はカラダ全体から吸収する。なるほど、なるほど。
根がない、根を生やさないから、土、倒木、樹幹、岩、どこにでも付着して生きられる。
なるほどぉ_φ(・_・
仮根があるものもあるけど、そこから水分。吸収したりはしないそうだ。

亜高山帯の針葉樹林。常葉樹なので地面ひは光はあまり届かない。だから草はあまり生えないけれど、苔は少ない光を上手く使って育つそうだ。

イワダレゴケは階段状に一年に一段ずつ増やしていく。3、4年は光に当たって生きているけれど、落ち葉や土に埋れ、古いところから土に還っていくそうだ、
ふむふむ。下の方は茶色っぽくて上の方は青々としていたり、まだ若い感じだね♪

ミズゴケ、特に暗い亜高山の樹林帯で生き延びるために水を蓄えるため貯水細胞があるそう。これが死んだ細胞らしいのだけど空洞で水を蓄えられるらしい。成長点は一番上なので、下は枯れて土に還っていっても成長点が生きていれば伸び続ける。
湿原のミズゴケの調査では5万年は生きていると推測されるものもあるそうな。すごい生命力だo(*^▽^*)o~♪

イワダレゴケ ホソバミズゴケ

山の中にはタチハイゴケという苔も多い。

それからフジノマンネングサ。
草という名が付いているのは、草だと思われたからだそう。マンネンの由来は…永く生きられるから。
表面から水分を吸収する訳だけど、逆に蒸発もする訳で乾燥もする。
カラカラになっても休眠状態でいて、また水が供給されれば、復活するのだそうだ。根ではないけど、地下茎は伸ばし、斜め上へ枝のように伸ばしていくそうな。

タチハイゴケ フジノマンネングサ

精悍な君はセイタカスギゴケね。

エゾチョウチンゴケはぴょんぴょんぴょんと線が伸びている。無性芽 むかごなんだそうだ。
やっぱりエゾって名前は妙に親近感(*^_^*)

普通一本ひょろっとのびたところにひとつの胞子嚢を持つけれど、複数、多いものは6つも持つのがムツデチョウチンゴケ。

エゾチョウチンゴケ ムツデチョウチンゴケ

樹幹に着生するものの代表はミヤマチリメンゴケにタカネカモジゴケ。あれ?タカネカモジゴケの写真撮ってなぁぃ。・゜・(ノД`)・゜・。
一杯胞子嚢・朔を伸ばしてる君はコセイタカスギゴケくん。

ミヤマチリメンゴケ コセイタカスギゴケ

それからそれから、なにやらふさふさ尻尾のような君がチシマシッポゴケで、ちょびっと虫ちっくなのがヨシナガムチゴケくん。
苔は大きく分けて3種。蘚(せん)類、苔(たい)類、ツノゴケ類
蘚類は約13000種、苔類は約5000種、ツノゴケ類は約150種ですって。
今回見たのはほとんどが蘚類、苔類はヨシナガムチゴケくんくらいかな。

チシマシッポゴケ ヨシナガムチゴケ

ふむふむふむふむ。
あれ?最初に覚えた名前はなんだっけ?えとえと、これは何だっけ?
なかなか頭に入らない(^◇^;) 
でもね、一番最初に上野先生が言ってたの。名前なんて忘れてもいいから、苔がどうやって生きているか、それを見て触れて感じて欲しいと。
見た、触った、柔らかかったり、つんつんしてたり、瑞々しかったり、ふんわりしてたり(*^^*)♪ 名前なんて知らなくたって、間違えたっていいじゃないの。ね♪

そしてこの日最後に見たのはヒカリゴケ。地域によっては天然記念物に指定されたりしているけれど、この辺りでは沢山見られるからか、指定はされていない。
私は初めて見られたので、嬉しかったなo(*^▽^*)o~♪写真は上手く撮れなかったけどねw

苔の本体が光る訳ではないし、発光するわけではないのね。
原子体に光が射し、原子体が持つレンズ状細胞で光が反射して見えるものなのね。ふむふむ。

ふと気づけば16:00を回っている、小屋に戻りましょ。小屋に戻って、テラスで缶ビールをぷしゅっとね(≧∇≦)
そしたら雨ザーザー降ってきたもの。観察会している間は光も時折射してたのにね。ラッキーラッキーo(*^▽^*)o~♪

17:00から食事を頂いて、その後19:00過ぎから上野先生の講義。
これがまた楽しかった☆
パワーポイントを使って、コケという生き物について、その増え方・多様な生き方を話して下さった。

まずは・・コケという生き物。植物の仲でも維管束を持たない非維管束植物。
クチクラ層があまり発達せず気孔を持たない。通常の植物は自身の中に水を一定量保とうとする恒水(性)植物なのに対して変水(性)植物。
恒温動物が平熱を持っていて、変温動物は環境の変化によって体温を変えるように、水分量を環境に応じて変えるってことね。
水分がないと維管束植物は枯れて死んでしまうけど、コケは乾燥しても休眠して、水分が供給されれば復活できるんだって。
動物の冬眠とはちょっと違う。冬眠している動物は心臓を動かし生命活動は維持しているけれど、コケは完全にストップしてるんだって。面白いね。

コケ。光合成をするわけだけど・・・

必要な水に関して・・・先に書いたように根を持たない。だから水を如何に効率よく獲得し、乾くのを遅らせるかが大事で・・・
コロニーレベルでは小さいものほどより集まって、広い面積を作る。密になって乾燥を防ぐってことをするんだって。
死んでしまった細胞は空洞になるからそこで水を貯めるようにつかったりもするんだってね。死んでも活きてるね♪

光はっていうとやっぱり面積を広げる、葉の向きや重なりを少なくして、広い面積で陽光を受けたり、高く伸びて光を浴びる。
まぁこれは植物全般同じかな?でも強すぎる光、紫外線もいけないから、そうなると白っぽくなって光を反射したりと・・進化って不思議!

次に二酸化炭素・・・と話が変わろうとした時だった・・・
あれ?私、体調悪いぞっ!油汗でてきたぞ・・・ぃゃぃゃ気のせいだ。大事な講義聞き漏らしてなるものか。
ぃゃぃゃ、ムリだ。このままここにいたら倒れるぞ、私(≧∇≦)
ぁ、夕飯のあとに風邪薬飲むの忘れてたwww っておぃ、風邪おして山行ってるんかぃ(≧∇≦)
ちょっと中座して、よく効く風邪薬飲んで、ほんの5分横になったら、治ったもの。
講義聴きに戻るもの(≧∇≦)

二酸化炭素の話は終わってたけど、植物1g単位の光合成能力は維管束植物の方が優れているけれど
クロロフィル単位辺りにするとスギゴケの能力は突出してるんですって!棒グラフで見ると歴然!

コケの生命力って本当にすごいの。感動的だったw
その生き方、増え方も無性生殖、有性生殖様々で上野先生はその多様性が素晴らしいって・・
そして苔も人もそれぞれ・・・みんな違って、みんないいって・・・そんな言葉でまとめられていた。

気づけば消灯時間の8時だっけ?8時半だっけ?過ぎてるしw
他の登山客は寝てるけど、苔の観察会メンバーは小声で懇親会。
小屋のふるまいの野菜に唐揚げ、日本酒を頂いちゃうもの(≧∇≦)
そうして楽しんで、お酒の入った勢いでtwitterやってるキムラさんにご挨拶して・・・就寝(-_-)゜zzz…

苔の観察会は翌日も続くのだ・・・・(つづく

  

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