常念岳  2013.09.14,15

北アルプスに出かけるようになって5年。行き先はどうやって決めるか・・・
ガイドブックやら雑誌で見たタイミングやフィーリング、山小屋で出会った人々からの薦めなどなど。
ほぼ成り行き任せ。しっかりとしたプランなんて立てちゃいない。
そうしていたら何度も歩いているお山もあれば…あれ?なんで行ってないの?と思ってしまうお山もあって。
常念岳、なんで行ってないんだろう?
7月に槍ヶ岳に登った時、視界不良の山行の中、ヒュッテ大槍や南岳から眺められた凛々しいお山、それが常念で呼ばれた気がした。
7月24日、毎日あるぺん号一ノ沢下車ぽちり。
8月の裏銀座縦走の時もその凛々しい姿をいっぱい眺めた。
さて…コース。一ノ沢→常念岳→蝶ヶ岳→三俣にしよう。二泊で歩くなら、一日の歩行時間は4、5時間と短い。
ならば…テント担いで行けるんじゃね?先月尾瀬沼でテン泊してその快適さも楽しかったし…北アプス・テン泊デビューを考えた。

12日夜、テント装備で着替えと食事とザックに詰めた。
ところがどうやら14日午後からの雨模様、15日の時々雨模様、16日はどっぷり雨模様にココロが折れた。16日は消えた。一泊にしよう…。
雨も夜通し降るわけではなさそうだから、なんとかテン泊で行けるんじゃないか?でも寒さとか風とか雷とか…いろいろ考えると不安になってきて…。
まぁ最悪テント担いで行って現地判断、小屋泊に変更でもいいか。…13日夜までそう思っていた。
自宅を出発する1時間半前…天気予報をふたつみっつ確認すると雨の時間がまちまちなんだけど…結構降りそうな気配が漂ってきて…
この日、翌週の船窪行のバスの手配もできちゃったもんだから…今週はらくらく常念小屋泊り一泊コースにしちゃおうよと方針変更。
小屋でも自炊すれば安く上がるのだけど泊まるなら小屋のご飯が食べたいのっ!
荷物はぐ〜んと軽くなった
軽くなると何かいっぱい忘れ物してるような気がして、自宅を出発してから駅に着くまでに二回ザック下ろして、荷物確認しちゃったものσ(^_^;)えへへ。

今夜は竹橋からの出発。八ヶ岳、南、中央、北アルプス…登山バスは商売繁盛。大にぎわい!
そんな中、先日、四角友里さん&鈴木ともこさんのトークイベントで知り合ったTさんと遭遇。嬉しい再会だった♪
彼女は北八つ方面へ!私は北アルプス方面へ〜出発〜♪
バスの座席は最前列のひとり使用。
夜行バスで寝るのは苦手な私なんだけど…ふたつのシートが使えるならカラダを横にできるので、珍しく眠れた(*^^*)
談合坂、諏訪湖とSAに着く頃には目覚めたけど、カラダは少し痛くなったけど、ほぼ移動中眠れた!よしよし☆

4:30頃だったろうか…ぐねぐね山道を進み、一ノ沢 ヒエ平登山口に到着。
まだ辺りは真っ暗。空を見上げるとキレイな星空(*^^*)☆
オリオン座がちょうど真上にあった♪
トイレに行ったり、身支度をしたり、朝ご飯のオニギリを頬張ったりしてるうちに明るくなってきましたよ!
…パッと明るくなったのは登山相談所の電気が灯ったから!
「登山届、出してくださいね〜!」の声。あ、忘れてた!書かなくちゃ。
書いてオジサンに渡して、「はいOKですよぉ!」と言われてなんだか安心いただきました♪

なんやかやとしていたらいつの間にやら大勢いた登山者の半数以上が出発されたようで…賑わっていた登山口も閑散としてきた。
私も出発じゃ〜!5:20
東の空はほんのり紅みを帯びているけれど山へと向かう道はまだまだ暗い。足元に気をつけて進みましょう(*^_^*)/

まずは山の神様にご挨拶。今回も怪我無く楽しく歩けますように(-人-)
少しずつ明るくなる中、ゆっくり登る。

お花も少ない季節、薄暗い中で目に止まったのは直径3〜5cmくらいのマリモのようなコケちゃん。
フジノマンネングサなのかなぁ(*^_^*)
この森はコケもいっぱいだった!スギゴケ、タチハイゴケ、イワダレゴケ・・覚えた苔が目に止まって嬉し楽し♪
山の中にいられる幸せを感じているところに、陽光が射す。うふふ楽しさ倍増〜!

登山道はしばらく沢沿いを進む。
看板が整備されていて、登山口・常念小屋までの距離や標高が記されていて、わかりやすい。
大滝通過は歩き始めてちょうど1時間の時だった。

その後、エボシ沢通過6:40 気持ち良く歩いていたけれど、ちょっと暑い。
しっかり水分補給しながら、ゆっくり登る。視界が開けると空が秋の雲。気持ち良い景色が広がるo(*^▽^*)o~♪

苔生した岩やそこに生える緑の草木も美しく・・・すーっはーっ深呼吸。気持ち良い!
道端ではゴゼンタチバナやタケシマランの赤い実が可愛らしく彩りを添えている。

休憩をとったのは笠原7:20 あれ?CTだと3h15m・・・ぃゃぃゃそんなにかからないってw
良いペースで来ているので、12時頃からお天気が崩れるとしても登頂までは持つかなぁ♪と期待する。

沢沿いにはウラジロタデ(かな?)の花やハンゴンソウ、アザミ、サラシナショウマ、トリカブトなど秋の花が咲いている。
陽射しを浴びて生き生きとして見える。

これはノコンギクかシロヨメナか・・・菊の類は実は苦手。
皆同じに見えちゃって区別がつかず・・・(≧∇≦)
ハンゴンソウもあれ?アキノキリンソウと思ってたけど、違うじゃん!あれ?オタカラコウ?あれ?どれがどれ?
いっつも混同しちゃう。名前が変わらなくても見ると綺麗で嬉しいのだからよいよい♪

ちっちゃな白い花をつけているのはイタドリ?
シモツケソウのピンクも可愛らしい。

あ!チョウジギクだo(*^▽^*)o~♪山野草図鑑などでその名は早くに覚えていたもののなかなか見つけられなかったコ。
きっとニアミスはしてたんだろうなぁ・・
今回も別のお花に気を取られていてうっかり見落とすところだったもの。会えて気づけて嬉しかった!
そこに止まる蜂くんのつぶらな瞳も可愛かったよ。

さて・・・ここまでゆるやかに登ってきたけれど、胸突八丁、ここから傾斜が増しますよ。8:00
急がずゆっくり足元のウメバチソウちゃんを眺めてから登り始めます!
丸太の階段が整備されていて、意外と歩きやすく・・着実に高度を上げていきます。

ふと見下ろしてみると沢が随分下に見えて、ふと見上げてみると稜線が随分と近づいている。
少し雲が増えたけれど、まだまだ雨の気配はない。

最後の水場で水を汲み8:30冷たい水で喉を潤し、もうひと登り。
第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチと過ぎたら・・・あと300m

出た〜常念乗越9:20。その向こうには槍がくっきり見えてるよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜o(*^▽^*)o~♪
・・と喜んでいる間に雲が流れてきてあっという間にその姿を隠していく。神様も演出上手!!

とりあえず・・常念小屋にチェックインしちゃいましょ。
お部屋はまだ掃除中とのことなので、サブザックに必要なもの入れて、ザックは棚に置かせてもらって常念岳登ってきましょ♪
9:45小屋を出発。一旦雲に隠れて真っ白になった槍ヶ岳の姿もまたくっきりはっきり見えている。
左から北穂、大キレット、南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳。
南〜槍の稜線は今年二度も歩いたので、よく分かる。こうやって見るとなだらかで気持ちよさそうな稜線。
歩いてみると意外とアップダウンあるのよね。だけど・・・大キレットの高低差を見るとね・・う〜ん、大キレットが私を呼んでいる気がしてきたぞwww



常念への道は意外に険しい。大中小の岩がご〜ろごろ。
登山道も分かりにくい。どこでも歩けそうに見えるけれど、道を外れると不安定な岩に足をとられちゃうから
慎重に歩く。
登ってきた東側を見下ろすと雲海。穏やかな白い雲が綺麗。

西を向けば・・・ああ、先月歩いた水晶、ワリモ、鷲羽岳が見える・・・
7月に泊まったヒュッテ大槍も見えた。
あぁ北アルプス。どんどんその地形が分かってきて、親しみも沸いてくる(*^ー^*)




上空には飛行機が飛ぶ。飛行機雲が真っ直ぐな線を描く。
ふぅぅぅ 暑いなぁ・・・ 喉が渇く。 ドリンクごくり。 なんだか疲労がたまってきた。てかお腹が空いたのね。
歩きにくい道、なかなか進まない。

ニセピークがあることなんて知っていた筈なのに・・・ここを登れば頂上の筈!と思ったところまで辿り着くと
見えてくる本当の頂上・・ まだまだ遠いものorz
慌てても仕方ない。景色を楽しみながらゆっくりゆっくり登りましょ!北穂の向こうに涸沢岳、奥穂高岳も見えてきた♪

槍を眺めつつ歩いていると、近くを歩いていたオジサマが「いつかはあのてっぺんに登りたいね〜!」と話し掛けてきた。
えへへ。「今年7月、8月と登っちゃいまして・・」でへへ。自慢しちゃいましたw

山頂までの小屋から1時間。でも歩きにくく、バテバテで登頂は11:10 1h25mほどかかっちゃったw

岩に座って美しい景色を眺める。干し梅を食べながら(≧∇≦)

槍穂の美しい山々達。
ただただ眺めていられる幸せ。

でもね・・・そろそろお帰りって神様がいう。雲が出てきてまた隠しちゃったw
私の喉もね そろそろ帰ろうぜ。生ビール飲みたいなっていう。
私のお腹もね そろそろ帰ろうぜ。ぺこぺこだぜ。っていう。

よしより下りましょうo(*^▽^*)o~♪ でもねぇ登りにくい道、当然下りにくいのよ。下りは苦手よ・・。
この手の道は足首捻りやすいから、気をつけてゆっくりね・・・ 喉よ、腹よ、急かすなよw

慎重に下りてきて、余裕がでてくると山肌の色鮮やかさに気づく。あぁ8月には観られなかった色だ。
小さなツツジや灌木の芽や花が赤く色づいている。 秋の色。

東側の雲海はどんどん登ってきて、横通岳を越えようと頑張っているようだ
なんとか稜線が食い止めている。これを越えちゃったら辺りは真っ白になっちゃうもん。
ガンバレ稜線(≧∇≦)

下りのCTは45分。私は1時間かけてゆっくり下山。
小屋に戻り、部屋に案内してもらって、壁際の寝床を確保して・・・売店へ。
焼き鳥つき生ビール1000円なりぃo(*^▽^*)o~♪ 泡こんもり☆泡より液体もうちょっと増やしてほしかったり。えへ。
食堂のテレビからは、あまちゃんのテーマソングが聞こえてきた
12:45 あ、今日は土曜日か。あまちゃん見ながら喉を潤し、お腹を満たし・・・(おにぎりも一つ食べたよ)
満足満足。

外は少しガスって来ていたけれど、意外と気温は高く居心地も良かったので
持参した本『マラソン中毒者(ジャンキー)』と缶ビールを持って外へ
気持ち良く北極でフルマラソンを走り・・・誤w ゆったりとした時間を過ごす。
缶ビールも空いたことだし・・・部屋に戻って、あいぽんでこの山旅レポでも書き始めるか・・と思いつつ、
お布団の上にごろんと横になったらあっという間にお昼寝タイムになっちゃったw

2時間ほど眠り・・・5時夕食。なかなか美味しい美味しいハンバーグだったな。
夕食後は小屋の前をお散歩。雲が流れる・・・雨は予想に反して降っていない。
いつしかテン場もいっぱいだ。
今回テントを止めた理由に稜線の強風や寒さもあったのだけれど・・台風の影響か意外に温かく、風もほとんどなかった。
う〜ん、テントでも良かったなぁ・・・小屋は結構混雑しているし・・と後悔しても遅いのだ。
テントはやっぱり不安の少ない時がよい。このロケーション、テントで一泊でもいいもの!また来れば良い!!

東から西へとゆったり流れる雲
下から上へ静かに登る雲
雲を見ているのも楽しい・・・・


少しずつ辺りが暗くなり始め、少しずつ気温も下がってきたようなので、部屋に戻ろう。




しばし同室の方々と歓談タイム。
同室は12人だったかな。燕山荘や南岳小屋と同じ寝袋型のお布団で・・敷き布団はひとり一枚とはいかないけれど
ひとり一畳ほどでまぁ許容できる範囲。
山小屋では間違いなく共通の話題があるので困らない。
山々の話、山小屋の話・・・この小屋の接客態度の悪さから始まり、どこが良かった、どこが悪かったなどなど。
どこの小屋が良かったかという話題を誰かがフリ、誰かが「船窪小屋」と答えられた。
本当に巡り合わせというのは不思議だ
夏休み烏帽子小屋で船窪小屋に前夜泊まられた方がすごく良かったと言っているのを聞き、
一週前に駒ノ小屋で「船窪小屋は良いらしいねぇ」と聞き、そこで働かれている方にも出逢い、翌週行くことを決めた。
昨年、テレ東の番組でみた小屋のお母さんが険しい山道を水を汲みに行っていたのは船窪小屋だったのね。
すっかり忘れていた。テレビを見たときも素敵な小屋で行ってみたいと思ったクセに・・・
あぁあの小屋だったんだ。と思い出すとますます思いは募る。来週は晴れますように〜〜〜!

山にまつわる話をしつつ・・・ひとり寝、ふたり寝・・・昼寝をたっぷりした私はなかなか眠れそうになく
もうひとり眠れなさそうな方としばらく話をしていたけれど・・・8:30頃だったかしらね。
皆眠りについたようなので、消灯時間まえだったけれど電気を消して眠ることに・・・

(-_-)゜zzz… 眠れないかなぁなんて思ってたのにあっさり眠ってたものw
ただ眠りは浅かったようで・・なんだか足をツンツン、背中をトントン
隣の方からされているようで目が覚めたような覚めないような・・その隣というのは壁の方で人はいないのだけれどw
4:00起床。どうやら大きな声で私は唸っていたそうで・・・同室の方に心配をかけたっぽ。失礼しました(^◇^;)


5:00朝食。同室の2人組の方と共にさせて頂いて、下山も一緒にさせて貰うことにした。
一ノ沢からどこへ行くにしてもタクシーを利用しなければならず、常念小屋でその手配をしてから下山のため・・・
行き先が日帰り入浴の出来るほりで〜ゆと一緒だし、お天気も悪いから写真もさほど撮らないから
同行させて貰った(*^ー^*)

起きたときは小雨が降っていて、レインウェアを着込み、しっかり雨対策をして出たけれど、雨はほとんど気にならない感じ。
槍方面はどんよりとした雲。東は浅間山も見えているかものおだやかな空。
6:00下山開始。

Kちゃん、Yちゃん、私の順で下る。なかなか早いペースだ。
私も急いでいる時はこのくらいのペースかな?でも最近はのんびりゆったり歩いているからなぁ・・・
たまに人と一緒に歩くのも面白いなぁ。と感じながら下る。
雨もほとんど気にならず、暑くなったので水場の辺りで上は脱いで進む。

紅葉はまだまだナナカマドがちょっと色づき始めようとしている。
雨で潤った森林は緑が綺麗だ。

古池は大きな水たまりといった風情で登りでは薄暗かったこともあって気づかなかったなぁ。
静かな沢沿いを歩き、少し雨が強くなったので、レインウェアをまた着て歩く。
雨の森は嫌いじゃない。でもあまり増水しないでね・・・皆が安全登山を出来るように・・・

あれ?もう山の神様のところまで下りて着ちゃったぞ。
タクシーの予約は9:40
あらあら1時間も早いから〜(≧∇≦)

わっ、おっきなキノコ。

あぁもう終わっちゃうよ〜〜〜!
少し寂しさを覚えつつ・・・登山口へ8:40下山完了。

タクシーの予約より1時間早かったけれど、数台のタクシーが待っていて、
無線連絡で調整してくれて、支度ができたら、すぐに出発してくれるとのこと、ありがたや。
レインウェア脱いで、ザックカバー外して、まとめて・・・・ほりで〜ゆへ! タクシー代4400円
ひとりで払うと高いけれど、1/3なら有り難や! Kちゃん、Yちゃん、同行させてくれてありがとう(*^ー^*)
ほりでーゆに9:30には入っちゃったけど入浴は10:00から。
でも控え室のような部屋に荷物を置かせてくれて、ロビーでまったりできたので良かった!
ついでに新宿行きの毎日アルペン号も当日予約を受け付けていて、ラッキーw
帰路は電車が好きだけど、時間に余裕もあるし、安いし、今回はバスで帰りましょ。
入浴も時間を早めてくれたし・・・11:00からのレストランも少し時間を早めてくれて・・嬉しいね♪

Kちゃん、Yちゃんは同年代。似た香りが漂い、お酒は飲まないちゃんとは妙な共通点があったり、
Yちゃんは酒好きだったり・・・うふふふふ(*^ー^*)
楽しい時間を過ごさせて貰いました!
Yちゃんはひとりでも山へ行けるようになりたいとかテント泊もしてみたいとか・・・
私もテント泊の経験は少ないけれど・・・良かったら来年あたり尾瀬にでも〜なんて話をしつつ・・・
電車で帰る2人を見送り、私も13:30帰路に着いたのでした・・・

常念岳。小屋からの登りはしんどかったけど眺めは最高。また行くぞ〜〜o(*^▽^*)o~♪

そんなこと思いつつ・・・了

  

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